建設工事を安全に進めるうえで欠かせないのが地質調査です。なかでもボーリング調査は、地盤の性質を正確に把握するための最も重要な調査手法の一つです。しかし、ボーリング調査にはさまざまな種類があり、どの手法を選べばよいのか迷われる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ボーリング調査の基本から種類、適切な選び方まで、わかりやすく解説します。

ボーリング調査とは
ボーリング調査とは、地面に円筒状の穴を掘り、地中の土や岩石を採取して地盤の性質を調べる調査手法です。
建設工事では、基礎工事の設計や施工方法を決定するために、地盤の強度、透水性、圧縮性などの性質を正確に把握する必要があります。ボーリング調査により、地表からは見えない地中の地質構造や地下水の状況を詳細に調べることができるのです。
ボーリング調査で分かること
- 地層の構成と厚さ:どのような土質の層がどの深度にあるか
- 地盤の強度:建物の重量に耐えられるかどうか
- 地下水位:地下水の深さと変動状況
- 土質の性質:粘土、砂、礫などの土質分類
- 岩盤の深度:固い岩盤までの距離
- 地盤の変形特性:沈下や液状化の可能性
ボーリング調査の主な種類
ボーリング調査は、調査目的や地盤条件に応じてさまざまな手法が用いられます。
1. 標準貫入試験(SPT)
最も一般的なボーリング調査手法です。
- 調査方法:重量63.5kgのハンマーを75cmの高さから落下させ、サンプラーを30cm貫入させるのに要する打撃回数(N値)を測定
- 適用範囲:軟弱地盤から中硬質地盤まで
- 取得データ:N値(地盤の強度指標)、土質サンプル
- メリット:汎用性が高く、豊富な実績データと比較可能
- デメリット:軟弱地盤や硬質地盤では精度が劣る場合がある
2. 動的サウンディング
簡易で迅速な調査が可能な手法です。
- 調査方法:一定重量のハンマーでロッドを打撃し、貫入抵抗を測定
- 適用範囲:軟弱~中程度の地盤
- メリット:短時間・低コストで実施可能
- デメリット:詳細な土質判定には限界がある
3. 静的サウンディング(CPT)
連続的なデータ取得が可能な手法です。
- 調査方法:コーンを一定速度で地中に押し込み、先端抵抗と周面摩擦を測定
- 適用範囲:軟弱地盤~砂質地盤
- メリット:連続的で詳細なデータ取得、再現性が高い
- デメリット:硬質地盤や礫質地盤には不適
4. オールケーシング工法
硬質地盤や崩壊しやすい地盤に適用される手法です。
- 調査方法:ケーシングパイプで孔壁を保護しながら掘進
- 適用範囲:硬質地盤、崩壊性地盤
- メリット:安定した調査が可能、深部まで到達可能
- デメリット:コストが高い、作業時間が長い
5. ロータリー式ボーリング
岩盤調査に最適な手法です。
- 調査方法:回転式ドリルビットで岩盤を削孔
- 適用範囲:岩盤、硬質地盤
- メリット:岩盤の詳細調査が可能、コア採取率が高い
- デメリット:軟弱地盤には不適、高コスト
調査手法の選び方
適切なボーリング調査手法を選択するには、以下の要因を総合的に検討する必要があります。
1. 地盤条件による選択
軟弱地盤(N値0~4程度)
- 標準貫入試験(改良型)
- 静的サウンディング(CPT)
- ベーンせん断試験併用
中程度地盤(N値4~30程度)
- 標準貫入試験
- 動的サウンディング
- 静的サウンディング
硬質地盤・岩盤(N値30以上)
- オールケーシング工法
- ロータリー式ボーリング
- 岩盤分類調査
2. 建設工事の規模・用途による選択
小規模建築物(戸建住宅など)
- スウェーデン式サウンディング試験
- 簡易動的貫入試験
- コストと時間を重視した手法
中規模建築物(中低層ビルなど)
- 標準貫入試験
- 静的サウンディング
- 必要に応じて複数手法の組み合わせ
大規模建築物・重要構造物
- 標準貫入試験+詳細調査
- オールケーシング工法
- 複数手法による多角的調査
3. 調査深度による選択
浅部調査(GL-10m程度まで)
- 動的サウンディング
- 簡易ボーリング
- 表面波探査併用
中深度調査(GL-10~30m程度)
- 標準貫入試験
- 静的サウンディング
- オールケーシング工法
深部調査(GL-30m以深)
- ロータリー式ボーリング
- オールケーシング工法
- 物理探査併用
長野県の地質特性とボーリング調査
長野県は地質的に複雑な地域であり、適切な調査手法の選択が特に重要です。
長野市周辺の地質特性
善光寺平の沖積層
- 軟弱な粘土層が厚く堆積
- 地下水位が浅い
- 液状化の可能性
周辺山地の地質
- 新第三紀の堆積岩
- 地すべり地形が発達
- 風化の進行
推奨される調査手法
善光寺平エリア
- 標準貫入試験が基本
- 液状化判定のための詳細調査
- 地下水位観測井の設置
山間部・丘陵地
- オールケーシング工法
- 地すべり調査
- 岩盤調査
調査計画立案のポイント
1. 事前調査の重要性
ボーリング調査を効率的に実施するには、事前の情報収集が欠かせません。
- 既存資料の収集:地形図、地質図、過去の調査資料
- 現地踏査:地形の観察、湧水の確認
- 聞き取り調査:近隣の工事状況、地盤トラブル事例
2. 調査地点の選定
- 建物配置との関係:基礎位置を考慮した配置
- 地形条件:谷部、尾根部、平坦部のバランス
- アクセス性:機械搬入の可能性
3. 調査深度の決定
- 構造物の規模:基礎形式と支持層深度
- 地質条件:軟弱層の分布と支持層の確認
- 近隣事例:類似条件での調査深度
まとめ
ボーリング調査は建設工事の安全性と経済性を左右する重要な調査です。地盤条件、建設工事の規模、調査目的に応じて最適な手法を選択することで、精度の高い地盤情報を効率的に取得できます。
長野県のような地質的に複雑な地域では、豊富な経験と確かな技術力を持つ地質調査業者に依頼することが成功の鍵となります。株式会社コンシアンスでは、長野県の地質特性を熟知した技術者が、お客様の建設プロジェクトに最適な調査手法をご提案いたします。
地質調査に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。確かな技術力で、安全で経済的な建設工事をサポートいたします。
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